強制ロスカットとは?FX業界で起きている問題と対策を解説

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強制ロスカットという言葉をご存知でしょうか?

FX(外国為替証拠金取引)は、少ない資金で大きな利益を狙える魅力的な投資方法です。しかし、同時に大きなリスクも伴います。その中でも最も恐れられるのが「強制ロスカット」という現象です。強制ロスカットとは、FX会社のシステムによって自動的にポジションが決済されてしまうことです。それによって、大きな損失を被ることになります。この記事では、強制ロスカットが起きる仕組みや原因、FX業界で起きている問題や対策について詳しく解説します。

1.強制ロスカットの仕組みと原因

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強制ロスカットは、FX会社が定める「証拠金維持率」を下回った場合に発生します。証拠金維持率とは、口座残高に占める必要証拠金の割合を示す指標です。この値が低いほど損失が大きいことを意味します。例えば、10万円の口座残高で20万円分のポジションを持っている場合、必要証拠金は4万円(20万円×4%)となります。

このときの証拠金維持率は250%(10万円÷4万円×100)です。しかし、相場が不利に動いて口座残高が4万円になった場合、証拠金維持率は100%(4万円÷4万円×100)となります。このように相場変動によって含み損が増えると証拠金維持率は低下します。

FX会社は証拠金維持率が一定の水準(通常は100%以下)になった場合、投資家の保護のために強制的にポジションを決済します。これが強制ロスカットです。強制ロスカットが発生すると、含み損が確定して口座残高が減少します。また、FX会社によっては追加証拠金の請求や違約金の支払いを求められる場合もあります。

2.強制ロスカットに関するFX業界で起きている問題

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強制ロスカットに関する問題がFX業界では近年、多発しています。その背景には以下のような要因があります。

2-1 レバレッジ規制の影響

レバレッジとは、自己資金以上の取引を可能にする仕組みです。それが、FXの魅力の一つです。しかし、レバレッジをかければかけるほどリスクも高まります。2010年から2011年にかけて金融庁はレバレッジ規制を強化しました。それによって、個人投資家の取引では最大25倍までと定めました。この規制は投資家の保護を目的としたものです。ですが、一方で利益の見込みが減少し、FXの人気が低下する要因にもなりました。また、レバレッジ規制によって証拠金維持率の低下に対する耐性が弱まり、強制ロスカットの発生頻度が増加するという副作用も生じました。

2-2 相場の変動性の低下

FX取引においては、相場の変動性が高いほど利益のチャンスも増えます。しかし、近年の為替相場は変動性が低くなっています。主要国の金利が低く横ばいになっていることや、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感が影響しています 。相場の変動性が低いと、FX取引で利益を出すことが難しくなります。また、相場が急変した場合に強制ロスカットに巻き込まれるリスクも高まります。

2-3 暗号資産への流出

FX取引と同様に、少ない資金で大きな利益を狙える投資方法として、暗号資産(仮想通貨)が注目されています。暗号資産は24時間365日取引できることや、値動きの幅が大きいこと、将来性の高さなどが魅力とされています。FX取引に飽き足らない投資家や、新しい投資方法を探している投資家は暗号資産へと流出しています。暗号資産への流出はFX業界にとって大きな打撃であり、FX会社の収益や顧客数にも影響を与えています。

3.強制ロスカットを回避する方法

強制ロスカットはFX取引における最大のリスクです。しかし、完全に回避することは難しいです。しかし、以下のような方法を取ることで、リスクを抑えることは可能です。

3-1 レバレッジを低くする

レバレッジを低くすることで、証拠金維持率を高く保つことができます。レバレッジを低くすれば、利益の見込みは減少します。しかし、その分損失のリスクも低くなります。初心者や中級者の方は、2倍から10倍程度のレバレッジで取引をすることをおすすめします 。

3-2 スキャルピングを利用する

スキャルピングとは、数秒から数分間で取引を行い、小さな利益を積み重ねる手法です。スキャルピングでは短期間で取引を行うため、相場変動による損失のリスクを低く抑えることができます 。ただし、スキャルピングには高い技術や集中力が必要です。また、すべてのFX会社がスキャルピングを容認しているわけではありません。スキャルピングを行う場合は、自分に合った手法やFX会社を選ぶことが重要です。

3-3 損切り注文を入れる

損切り注文とは、あらかじめ決めた損失の限度額に達した場合に自動的にポジションを決済する注文です。損切り注文を入れることで、相場が急変した場合でも最低限の損失で済むようにすることができます。また、損切り注文はFX取引における基本的なリスク管理の手法です。ですが、多くの投資家が実践していないのが現状です。損切り注文を入れることは心理的にも難しいですが、強制ロスカットを回避するためには必須です。

3-4 FX会社を選ぶ際に注意する点

FX会社によっては、強制ロスカットの基準や方法が異なります。例えば、証拠金維持率の水準や計算方法、ポジションの決済順序や価格、追加証拠金の有無や方法などがFX会社ごとに異なります 。そのため、FX会社を選ぶ際には、強制ロスカットに関する規約や仕組みをよく確認することが重要です。また、FX会社の信頼性やサービス内容も比較検討することが必要です。

まとめ

強制ロスカットはFX取引における最大のリスクですが、完全に回避することは難しいです。しかし、レバレッジを低くする、スキャルピングを利用する、損切り注文を入れる、FX会社を選ぶ際に注意するといった方法を取ることで、リスクを抑えることは可能です。FX取引は自己責任で行うものですが、強制ロスカットによって大きな損失を被ることは避けたいものです。この記事があなたのFX取引の参考になれば幸いです。

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