この記事はおよそ 5分53秒で読めます。
キャップレートとは、物件価格に対する年間の純収益の割合を指します。数値が高ければ高いほど収益性が高いと判断できます。
そして、不動産投資において、物件の収益性を表す指標のひとつがキャップレートです。
しかし近年、不動産価格の高騰により、その数値は低下傾向にあります。
では、キャップレートが低下すると不動産投資はどうなるのでしょうか?今後の不動産投資の見通しや対策について、詳しく解説します。
目次
1. キャップレートが低下する原因と影響
キャップレートが低下する原因は主に2つあります。
ひとつは、不動産価格が上昇することです。不動産価格が上昇すると、同じ収益額でもキャップレートは低くなります。不動産価格が上昇する要因としては、金利の低下や需要の増加などが挙げられます。
もうひとつは、家賃収入が減少することです。家賃収入が減少すると、前者同様、同じ物件価格でもキャップレートは低くなります。家賃収入が減少する要因としては、人口減少や競争激化などが挙げられます。
なお、キャップレートが低下する影響として発生するものは、以下のようなものが考えられます。
- 不動産投資の回収期間が長くなる
- 不動産投資のリスクが高まる
- 不動産投資のの魅力が低下する
2. キャップレートが低下しても不動産投資をを続けるメリット
キャップレートが低下しても不動産投資をを続けるメリットは以下のようなものがあります。
2-1 資産価値の上昇を期待できる
資産価値の上昇を期待できるメリット一つ目は、不動産価格が上昇傾向にある場合です。この場合、不動産価格は需要と供給のバランスや景気動向などに左右されますが、長期的に見れば上昇傾向にあると言われています。
不動産価格が上昇すれば、売却時に利益を得られる可能性が高まります。
2-2 安定したキャッシュフローを得られる
安定したキャッシュフローを得られるメリット二つ目は、家賃収入が安定している場合です。家賃収入は物件の立地や需要などによって変動しますが、一定の需要が見込めるエリアや物件であれば、安定したキャッシュフローを得られます。
キャッシュフローは生活費や返済費用などに充てられるほか、再投資や積立などにも活用できます。
2-3 節税効果やレバレッジ効果を利用できる
節税効果やレバレッジ効果を利用できるメリット三つ目は、節税効果やレバレッジ効果に期待する場合です。
節税効果とは、不動産投資にかかる経費や減価償却費などを所得から差し引くことで、所得税や住民税を軽減できることです。
レバレッジ効果とは、借入金を利用して不動産投資を行うことで、自己資金以上の収益を得られることです。
これらの効果を上手に活用すれば、不動産投資の収益性を高めることができます。
3. キャップレートが低下する中での不動産投資の対策
キャップレートが低下する中での不動産投資の対策は以下のようなものがあります。
3-1 物件選びに注意する
物件選びに注意する対策は、キャップレートだけでなく、物件の立地や状態、需要や将来性などをを総合的に判断することです。キャップレートが高いからといって、物件の品質や入居率が低い場合は、リスクが高くなります。
逆にキャップレートが低くても、物件の品質や入居率が高い場合は、安定した収益が見込めます。 物件選びには、市場調査や現地調査などを行って、物件の特徴やメリット・デメリットを把握することが重要です。
3-2 資金計画を立てる
資金計画を立てる対策は、自己資金や借入金のバランスや返済計画などをしっかりと考えることです。キャップレートが低い場合は、借入金の返済に家賃収入が足りなくなる可能性があります。
そのため、自己資金の比率を高めたり、借入金の利率や期間を調整したりする必要があります。 資金計画には、シミュレーションツールやファイナンシャルプランナーなどを活用して、最適なプランを立てることが重要です。
3-3 管理・運用を工夫する
管理・運用を工夫する対策は、物件の価値や収益性を向上させるために、様々な施策を行うことです。例えば、以下のような施策があります。
- リフォームやリノベーションで物件の魅力を高める
- 空室対策や家賃交渉で入居率や家賃収入を高める
- 節税対策やコスト削減で利益率を高める
- 再投資やポートフォリオ分散でリスクヘッジを行う
管理・運用には、専門的な知識や経経験が必要な場合もあります。そのため、管理会社やコンサルタントなどの外部サービスを利用することもも検討する必要があります。
まとめ
キャップレートは不動産投資において重要な指標ですが、それだけで判断するのは危険です。キャップレートが低下するという現象は、不動産市場の変化や物件の特性によって起こります。
そのため、不動産投資を行う際には、物件選びや資金計画、管理・運用などをを総合的に考える必要があります。また、キャップレートが低下しても不動産投資にはメリットがあります。資産価値の上昇や安定したキャッシュフロー、節税効果やレバレッジ効果などを活用すれば、不動産投資の収益性を高めることができます。
キャップレートは不動産投資のひとつの指針ですが、全てではありません。不動産投資の今後は、キャップレートだけでなく、様々な要素を考考慮して行うことが重要です。