レバナスはやるな。インデックス投資を理解する3つのポイント

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最近人気のハイレバレッジ投資についてご存じですか?このところ一番目立つのは、レバナスといわれるハイレバレッジNASDAQ100ではないでしょうか

僕も様々に友人から薦められ、いろいろ調べることになりましたが、結論としてはいまだに手を出していません。

面白い特徴を持つ反面、リスクが高すぎるからです。

今回は、レバナスに代表されるハイレバ投資についての説明、そして僕なりに考えるインデックス投資をするに当たって抑えておくべきポイント、などを3つに絞ってご紹介したいと思います。

ハイレバ投資について

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Photo by Lukas on Pexels.com

レバレッジとは「てこの原理」のことで、不動産投資やFXなどを中心に行っている人は当然のように利用している手法です。

リスクを多く取ることで、リターンをとれるように投資の仕組みが設計され、それによって、出資者は勝ちさえすれば、少額の投資でも大きな利益が得られるとうな投資のことを言います。略してハイレバ投資などとも言われます

インデックス投資については以前、S&P500やオルカンなどについて紹介しましたが、これをハイレバレッジで投資する商品も出ていて、とても人気があります。

とても簡単に説明すると。オールカントリー型の投資信託の値段が10%あがった日は、20%や30%上がるように設計している投資信託などがそれに当たります。

価格推移が比較的堅調なインデックス投信、これにレバレッジをかけるのですから、一見最強の投資手法です。

とはいえ、落とし穴もけっこうあります。

今回は、ハイレバ投資のデメリットなどについて考察しながら、インデックス投資の王道について解説していきたいと思います

1.レバレッジの落とし穴

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FXや不動産におけるレバレッジとは、ごく簡単に言うと借金をして賭け金を増やす、ということです。株式でも信用取引などという方法で展開されています。

株式では、100万円を元手にもっていると、証券会社がその元手にあと200万くらい貸してくれて、合計300万円で株取引ができるような制度があります。

つまり元手の3倍で取引できるというわけです。同じような理屈で、FXなら10万円を証拠金として証券会社に入れ、レバレッジ10倍を選択すると、10倍の100万円が用意され、これで為替取引ができます。

日本ではレバレッジ25倍まで可能ですので、10万円あれば、250万持っていることと同じ扱いで取引できるわけです。ちなみにかつては日本でもレバレッジ300倍まで可能でした。

不動産も、頭金100万円を用意すれば、3000万円くらいの家を買うことができます。本人の収入や仕事などという属性の問題、不景気の問題などはあるものの、それでも物件価格の2、3割くらい用意すれば、購入できます。

このように、本人のもっている現金が少なくても、大金を用意することができ、スケールメリットを活かした投資ができる。というのがレバレッジの利点です。

しかし、単純にレバレッジとは、借金ですので、思い描いた投資がコケれば、すぐに元手は回収され、投資は終了となります。FXで100万の取引を行っていても、損失が10万円分でたら、強制的に損切りされる仕組みになっています。

昔の先物取引では、そうはいかずに、さらに証拠金を追加しなくてはいけないケースもありました。これによって、投資から借金地獄に陥る人も続出し、レバレッジ投資はハイリスクハイリターンを超えた、ギャンブルなどとも言われています。

2.インデックス投資におけるハイレバ投資

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最近人気のレバナスに代表されるような、インデックス投信ではどうでしょうか。手堅さの代表格と言われるインデックス投資ですので、価格の大幅な下落、急落のリスクは比較的ありません。

また、ハイレバ投信自体が、このインデックスに連動する形で設計されています。

レバナスの場合、NASDAQ100の価格が10%上がった日は、倍の20%価格が上昇するように設計されるなどしています。かつてのハイレバ投資に比べると、借金や証拠金の追加などがないため、そうしたリスクもありません。

となると、手堅い投信をやって、利益が出れば、通常の2倍と言う商品です。

しかも昨今のアメリカのIT企業が多く集約しているNASDAQ市場のトップ100企業の平均値推移であるNASDAQ100という指標に連動しているとなれば、将来性も抜群です。人気が出るのもうなずけます。

ところが、ここに落とし穴があります。

ハイレバのインデックス投信は、儲けが出ている時は絶好調ですのでもちろん文句はありません。通常のナスダックに投資するよりもよっぽど効率の良い投資です。

ですが、一度暴落にハマってしまえば、当然下落率も倍となります。暴落が続けば、損も大きく、奈落の底へと落ちてしまいます。

また、暴落時だけではなく、ハイレバでの投資は、レンジ相場でも元本が目減りしやすい傾向があります。

元本が減ってしまう、ということは、同じ率で増えても、元の額には戻らないからです。

たとえば、ある二日間の価格変動の例を見てみましょう。数字はわかりやすいよう、10%や15%をつかいます。

購入初日を100%とした場合で、翌日に10%下げ、その次の日に15%の上げを見せた。そんな変動があったとします。ちょっと極端な数字ですが、NASDAQならありえる変動幅かと思います。

この場合、初日、二日目と、価値を計算してみます

初日を100とした場合

翌日(10%減):100×0.9=90

翌々日(15%増):90×1.15=103.5

これで2日後、資産価値は上がっています。ところが、これが翌日40%減の翌々日50%増ならどうでしょうか

翌日(10%減):100×0.6=60

翌々日(15%増):60×1.5=90

となり、たった二日間でトータル10%減となってしまいます。変動幅が大きいと、上昇幅が大きくても一度減った原本をなかなか回収しきれないのです。

これはあくまで分かりやすいように事例として極端な数字を使っているわけですが、レバナスの場合、その日ごとの変動幅に対して2倍のレバレッジがつくように設計されていますので、当然振り幅は大きくなります。

2日間でこのような極端な変動は実際にはならないと思います。

ですが数ヶ月間、ましてや数年単位の長期投資をしていく場合、価格の振り幅がおおきいというのは元本割れが起きやすく大変危険です。

いまはコロナ禍の風潮も有り、すべてのインデックスが不調ですので、わかりにくくなっていますが、また好調の波が訪れたとき、NASDAQ指標もが好調を取り戻したのに、自分の資産だけがなぜか増えない。ということもあり得ます。

それは、指標の好不調とは関係なく、不調はもちろん、レンジ相場でも資産が減っていくというハイレバインデックス投信の設計にあるのです。

3.目的に合わせて組み合わせのよい方法で投資しよう

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レバナスに代表される、ハイレバ式のインデックス型投信は、見た目こそs&p500やオルカンといったインデックス投信の形をしています。

だからこそ、安全にレバレッジがかかった長期運用型の投資信託だと考えがちですが、ここが待ったく違います。

むしろ、ハイレバ式の設計の建付けは、短期投資向けといえます。つまり、上昇トレンド時はどんどんと資産がふえていくので、このトレンド時に利用すべきもの、というわけです。

長期投資では、当然下落もレンジもあり得ます。すべてのチャートの動きを飲み込んでも、最終的に一定に利益が出る商品、やや利回りは低く見えても、損をせず、下落局面にも耐性があって、比較的勝ち続けられるものを選ばなくてはなりません。

レバナスが活かせるとすれば、短期投資の局面です。だとすれば、チャートの動きや市場の情報もつかむという、テクニカル分析、ファンダメンタル分析の両方を駆使しなければなりません。こうなるとかなりの上級者向けの投資商品ということになります。

このブログでは、投資を始めようとする方、投資をはじめたばかりの方へ、再現性の高い方法を紹介し、投資の間口を広げていくための情報紹介となっています。

ですので、この段階でレバナスをやる、というのはおすすめできない。というわけです。

なにもレバナスが絶対的悪とは言いませんが、設計の内容や目的を踏まえて投資することは、投資で勝つためにも大切です。

その意味では、初心者が長期にお金を寝かせる場所としては選ばなくてもよいのではないか、と思っています

まとめ 投資で大切なのは継続すること

ここまでの話をまとめると

1.レバレッジの落とし穴

レバレッジ投資そのものには、儲けが出なければ追加金の発生などで借金となる可能性があり、リスクの把握が大変重要になります

2.インデックス投資におけるハイレバ投資

振り幅の大きいハイレバ式のインデックス投信は、下落局面はもちろん、レンジ相場でも元本割れが続くことで、結局資産が目減りする可能性があります

3.組み合わせのよい方法で投資しよう

ハイレバ式のインデックス投信が活かせるのは、好景気時の短期投資だと思います。短期投資にレバナス、長期投資にs&p500やオルカンなど、商品の設計と投資目的が合致している組み合わせで投資することが大切です。

ということになります。

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投資で肝心なのは、継続することです。継続するためには資金をショートさせてはなりません。

キャッシュアウト(資金の破綻)を起こしてしまったら、投資そのものをすることができなくなってしまいます。

そのためには、損を出さないことに敏感になるべきです。そして損に気づいたら、躊躇無く損切りすることです。

逆に言えば、資金管理できていれば、何度負けても大丈夫です。その間に失敗を減らし、少額でも勝つ回数を増やせば、かならず勝てるようになります。

今回は、レバナスとの距離感についてお話ししました。実は金融庁も、レバナスについては積立NISAの対象商品から外しています。

それだけ手堅い商品は言えないという判断をしているのです。

非課税でレバナスをしたい、と言う要望は数多くあがっているようですが、僕もこの商品の設計そのものが再現性に乏しく、広く一般の投資家が長期におこなうような積立NISAの対象商品としてはふさわしくないのではないか、と思います。

おそらく、この声が大きくなっても、また時が経っても、金融庁が積立NISAの対象商品に入れることはないのでは、と思います。

インデックス投信は、下落局面でも、レンジ局面でも、めげることなくコツコツと長期に積み上げることにより、その威力を発揮します。

地味である反面、一度決定したら、ほぼ見守るだけでしっかりと育つ、手のかからない投資です。だからこそ広く一般に薦められる投資と言えます。

僕としても、ポートフォリオの下地として、資産の要として、目的に合ったしっかりとした土台を築く。

インデックス投資はそんな位置づけで続けていきたいと思っています。

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